スノー・ウォーズ: 自然との終わりなき戦い

By 29th November 2019 Japanese, Powderlife Magazine 2020 JP

母なる自然とニセコで暮らす人々と行政、 この雪に覆われたフロンティアで 毎日の冬を過ごす。 19世紀末以来、近年の繁栄の中でも 自然との戦いは日々変わらない。

 

倶知安町の除雪隊
213人の町職員

*フルタイムで働く「雪の戦士」に加え、この戦いには数百人の除雪請負人や下請けの除雪業者も参加している。さらに地元住民も、生涯続く雪との戦いの予備軍として、全員が参加できるよう待機している。

 

An incessant foe
執拗な敵

もし自宅や門前の私道で、毎晩寝ている間に雑草が30㎝も伸びたと想像してみてほしい。日が昇るころには、たとえ牛乳を買いに行くだけでも、それを刈らなければ家から出ることすらできないとしたら・・・。日中、職場にいる間にもまた30㎝伸びて、家に帰れば玄関にたどり着くため、また私道の雑草を刈らなければならないとしたら!

ニセコのドカ雪が本格的に始まると、雪との苦闘が1カ月間にわたって毎日続くことだってある。ちょっと具合が悪かったり、忙しかったり、あるいは単に少し怠けてわずか24時間でも放置したら、状況は文字通り手に負えないものになりかねない。再び雑草に例えるなら、わずか一日で腰の高さまで伸び、普通の草刈り機では刈れないほどになって、特殊な機械が必要となるような状況だ。1週間も留守にしたら、自宅はまるでジャングルにようになって、家を覆う繁った森を伐採するのにはチェーンソーやブルドーザーが必要になるだろう。冬のニセコの場合、エンジン付きの大型スノーブロワー(右下図参照)が必要になる。

なぜ毎朝4時に、屋外で轟音を立てて窓をガタガタと揺らす巨大なトラクターに起こされるのか、お分かりいただけただろうか。さもなければ、ゲレンデにたどり着くまでに、1時間以上かけて家から出るための道を作らなければならないのだから!

 

人口と住民1人当たりの除雪費
倶知安(日本)  15,500人 / 255ドル
サンモリッツ(スイス) 8,500人 / 210ドル
トラッキー(米国) 16,000人 / 200ドル
シャモニー(フランス)  13,500人 / 149ドル
バンフ(カナダ)   9,600人 / 70ドル
ツェルマット(スイス) 6,000人 / 38ドル

 

The fourth dimension
第4の公共サービス

水道、電気そして通信は、世界中で現代文明の基盤を維持する3大公共サービスだが、ニセコ地域には第4の公共サービスがある。ここでは雪が日常的に深く、あっというまに積もるため、冬の最盛期にはほぼ毎日除雪が必要となる。毎冬、1日で10~15mまたはそれ以上の積雪があり、この量に対応するには、絶えず除雪し続ける必要がある。

除雪隊が前線に繰り出すのは夜間だ。ニセコ地域でサービスを提供している倶知安町の除雪隊は、冬の間、常に天気図に目を配る213人で構成される。夜間に10㎝以上の降雪の予報があれば、夜明けの戦いに備えて全員が集合する。

彼らは交通量の少ない午前3時、除雪機のチームを組んで一斉に街へと繰り出す。学生やサラリーマンが全員、学校や職場にたどり着けるよう、午前8時までに町内の全長158㎞の道路で除雪を行う。これは町の全道路の60%にあたり、冬期間を通じて225,600トン(423,000 m3)を除雪する。

 

URBAN MILITIA TO FRONTLINE WEAPONRY
雪と戦うための“武器”

ショベル
雪かきスコップ
ママサンダンプ
小型スノーブロワー
車輪式トラクタショベル
大型スノーブロワー

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